電気代の内訳は季節や家庭のライフスタイルによって変わります。特に、冷暖房や給湯は大きな割合を占めるため、効率的な使用を心がけることで大きな節約が期待できます。電力会社が提供する詳細な使用履歴を確認することで、さらに具体的な改善点が見つかることもあります。
家庭内での電気代の内訳
家庭の月々の電気代は基本料金、電力量料金、再エネ賦課金の3つで構成されています。また、家庭内の電気消費の用途別内訳は、冷房、暖房、給湯、炊事、照明(家電機器を含む)の5つに分類され、内訳を製品別にみると、次のような割合になります。一般家庭で効率よく電気代を節約したいなら、消費電力の多い家電の使い方から見直すのが大切よいえます。
エアコン 約25%~50%
エアコンは特に夏や冬に使用頻度が高く、電気代に占める割合が大きくなります。冷房時は28℃、暖房時は20℃程度、温度設定を適切にしたり、フィルターを定期的に掃除することは節約につながります。
給湯 約15%~30%
電気温水器やエコキュートなどが含まれます。シャワーやお風呂、キッチンでの使用が影響します。節水シャワーヘッドの使用や無駄な湯張りを避けることが節約への第一歩です。
照明 約10%~15%
LEDや蛍光灯などの家の中の照明が該当します。LED照明に切り替えることがおすすめです。
家電製品
・冷蔵庫 約10%~20%
食べ物を保管しているため、常時稼働しており、使用頻度が高い家電です。詰め込みすぎを避け、設定温度を適切に調整しましょう。
・テレビ・AV機器 約5%~10%
長時間の視聴や待機電力が電気代に影響します。見ないときは電源を切り省エネモードを活用してください。
・洗濯機・乾燥機 約5%~10%
特に乾燥機能が電力を消費します。なるべく自然乾燥を心がけましょう。
・電子レンジ・炊飯器 約3%~5%
使用時間が短いので、他の家電より電力消費は少ないといえますが使い方次第で変動します。保温時間を短くするなどの対策が可能です。
その他 約5%~10%
パソコン、スマートフォンの充電、電気掃除機、加湿器などの電化製品を指します。待機電力を抑えるために、使わない家電はコンセントを抜くかスイッチ付きタップを使用しましょう。
上記の家電製品は、ここ10年ほどで急激に省エネ化が進んでいます。特に冷蔵庫と照明器具は、維持費が3分の1程度まで少なくなるほど省エネ化が進んでいるものもあります。買い替えも効果的な節電方法といえるでしょう。
電気代を節約するには、次のような方法があります。契約アンペアやプランの見直し、省エネ家電への買い替え、待機電力の抑制、太陽光発電の導入などを検討するのもいいでしょう。電気料金の明細は、郵送で送られてくる明細書もしくは電力会社HPから確認することができます。
特に電気代の高い電化製品
電気代の料金は電気使用量によって大きく変化します。その中でもエアコンは、夏は冷房として、冬は暖房として必要不可欠といえます。
つまりエアコンは、夏と冬で大きな電気消費量となり電気代が高くなる傾向があります。また、エアコンは冷房よりも暖房で使用する場合の方が電気代が高くなります。
家庭における夏場の1日の電気使用量は13.4kWhが平均で、エアコンが34.2%を占めています。家庭における冬の1日の電気使用量は14.2kWhが平均となっています。その中でエアコンは32.7%と高い割合となっています。
でき台の節約に効果的な対策 ~エアコン節約方法~
電化製品の中でも電気代が高くなりやすいエアコンをうまく節約することによって、電気使用量の全体を下げることができます。エアコンの電気代を抑えるための使用方法と節約方法をみていきましょう。
使い方のポイント
扇風機やサーキュレーターと併用することで、エアコンの働きを助けます。室内の温度ムラを解消でき、設定温度を必要以上に上げる必要がなくなります。冷暖房効率が上がるということになります。
室内温度は夏は28℃、冬は20℃を目安にすることで電力消費を抑えることができます。夏の冷房時の温度設定を1℃高くすることで、約13%の消費電力の削減となり、冬の暖房時の温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力になります。
エアコンは起動時に多くの電力を消費します。一度オフにすると、部屋の温度があがる、または下がることになり、次回のエアコン立ち上げ時に、室内を設定温度にするために多くの電力を必要とします。数分や1時間以内の外出時はつけっぱなしの方が電気代が上がることは少ないとされています。電気代がかかる真夏や真冬の短時間の外出時ならもエアコンをうまく使ってみるといいでしょう。
節約ポイント
エアコンの電気代を節約するためのポイントを紹介します。
2週間に1度のフィルター掃除
フィルターにホコリがみっしり付いた状態で運転させるとモーターやコンプレッサーに負荷がかかってしまいます。冷房時には室内機内部にたくさんの結露が発生するため、内部乾燥ができないつけっぱなし状態だと、特にカビが生えやすくなります。
フィルターが汚れたまま使い続けると、約1.5倍の電力消費につながる可能性があります。2週間に1度、1か月に1~2回のフィルター掃除で、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減になり、年間で約860円の電気代が節約できるといわれています。
また年に1度はエアコンの内部までクリーニングすることがおすすめです。エアコンの電気代を抑えるために最も有効な手段といえます。
エアコンの自動運転
自動運転モードでは、設定温度に達すると微弱運転や送風運転に切り替わり、余計な電力を使わずに作動するようになります。つまり電気代節約の効果が期待ができるということになります。
無駄な電気代がかかりません。エアコンは、室内の温度を設定温度まで下げる、または上げるまでの間が一番電気を使うため、設定温度に達した後は自動運転で一番電気代を抑える運転方法がおすすめです。
室外機回りの整理整頓
室外機周辺に物を置いていると効率的に吸い込みができず、冷房効率が低下します。また直射日光が当たっていると、室外機周りの温度が高くなってしまいます。室外機カバーを設置したり、日陰に設置するなどで直射日光を防ぐことで機内温度の上昇を防ぐことができ効率をあげます。
まとめ
夏と冬に特に電気使用量が増えるエアコンでは、節電のためのさまざまな方法がありますが、エアコンの掃除と併用することで高い効果を発揮します。
自分でできるフィルター掃除をしっかりとおこない、年に一度、業者によるエアコンクリーニングで内部までキレイにすることで、有効な節電対策が可能です。
またエアコンの異常をいちはやく発見することができたり、寿命をのばすことにもつながるため点検も兼ねておこなうことがおすすめです。